「歴史は暗記科目だ」。
そう言われてきた人は多いのではないでしょうか。
年号を覚え、人物名を覚え、出来事名を覚える。
テストの前には必死で詰め込み、テストが終わるとスッと消えていく。
なぜ、こんなにも定着しないのか。
それは多くの場合、私たちが歴史を「点」だけで覚えようとしているからです。
点は単独では意味を持ちません。点と点がつながって線になり、線が面になり、初めて全体像が見えてきます。
このブログ「レキシラボ」では、歴史を点の集合としてではなく、
“線”として理解するための学び方を提案します。
その学び方を象徴することばが、
「歴史に、補助線を。」
です。
👉 この学び方を使って、第一次世界大戦やフランス革命も読み解けます。
詳しくは レキシラボ学習ロードマップ から。
補助線とは何か(図形問題から考える理解のコツ)
数学の図形問題で、先生がスッと一本線を引いた瞬間、
- 相似の関係が浮かび上がる
- それまで見えなかった角度同士のつながりが見える
- 面積比の関係が一気に明らかになる
そんな経験をしたことはありませんか?
不思議なことに、その瞬間、問題そのものが易しくなったように感じます。
しかし、実際には図形は何も変わっていません。
増えたのは、「理解のための一本の線」だけです。
事実は同じでも、見え方が変わると理解が変わる。
この「理解を助ける一本の線」が、補助線です。
レキシラボが目指すのは、
複雑に見える歴史という図形に、理解のための補助線を引くこと。
知識を増やすことよりも、
見方を増やすことを大切にしています。
歴史を暗記だけで学ぶのがつらい理由
「歴史が苦手だ」「どうしても覚えられない」
そう感じる理由の多くは、実は能力不足ではありません。
問題は、頭の中の歴史が
- 年号
- 人名
- 出来事名
の**“バラバラな点の集まり”になっていること**です。
点のままの知識には、
- 何と何がつながっているのか
- どんな原因があったのか
- その結果、社会がどう変わったのか
といった意味や方向性がありません。
だから覚えにくく、忘れやすい。
逆に、物語のように因果関係や流れが見えた知識は、
教科書を閉じても不思議と残り続けます。
つながった知識は、覚えなくても残る。
つながらない知識は、どれだけ努力しても抜けていく。
つまり歴史は、本来
“暗記科目ではなく、理解科目である”
とレキシラボは考えています。
歴史に引く3つの補助線|流れ・因果関係・構造
では、歴史にどのような補助線を引けばよいのでしょうか。
レキシラボでは、特に次の3つを重視します。
- 流れ
- 因果関係
- 構造
① 流れの補助線(まとまりで捉える)
まず大切なのは、「流れ」でとらえる視点です。
年号を1つずつ覚えるのではなく、
「この数十年はどんな時代だったのか」
というまとまりの感覚を持ちます。
たとえば、
日清戦争から日露戦争にかけての日本を、
「列強の仲間入りを目指し、背伸びし続けた時代」
と一本の線で整理すると、
- 軍拡
- 植民地支配
- 外交路線
といった要素が、1つのストーリーとしてつながります。
点が並んでいるだけの年表が、「物語」に変わる。
これが流れの補助線です。
② 因果関係の補助線(原因→結果で見る)
次に重要なのは、「因果関係」という補助線です。
出来事を単なる出来事として覚えるのではなく、
何が原因で、何が結果なのか
という矢印を含んだ理解に変えます。
例:第一次世界大戦
- 列強による植民地争いで対立が激化
- 同盟関係が固定化され、陣営が二極化
- 火薬庫のような状況でサラエボ事件が発生
→ これらがつながり、戦争へ拡大する
このように順序立てて考えると、
「なんとなく起きた戦争」ではなく
「起きるべくして起きた戦争」
として理解できます。
③ 構造の補助線(仕組みで理解する)
3つ目は、「構造」という補助線です。
個々の事件だけでなく、
誰が、何を、どこまで決められる仕組みだったのか
に注目します。
たとえば明治憲法下の政治体制では、
- 天皇
- 内閣
- 議会
- 軍部
の間に特有の力関係がありました。
この構造を図で理解すると、
- なぜ軍部が強かったのか
- なぜ議会政治が不安定だったのか
- なぜ特定の選択肢が取られたのか
といった疑問が、“その時代の必然”として見えてきます。
補助線は「新しい事実」を足すことではない
「補助線」と聞くと、
- 新しい説
- 裏話
- これまで知られていなかった事実
を連想する人もいるかもしれません。
しかし、レキシラボが目指す補助線はそうではありません。
教科書の事実はそのまま使う。
その並べ替え方と、つなぎ方を変える。
それだけで、同じ知識でも理解の深さはまったく変わります。
レキシラボが目指す「わかる歴史」
このブログでは、
- 日本史・世界史の近代を中心に
- 因果関係・流れ・構造に補助線を引き
- 暗記ではなく「理解」につながる解説
を発信していきます。
受験勉強の効率を上げたい人も、
社会人として学び直したい人も、
かつて歴史が苦手で挫折した人も。
歴史は、「わかる」と楽しくなります。
そして歴史の見方が変わると、
現代のニュースや国際情勢の見え方も変わります。
この考え方は、実際の歴史を読むときにも力を発揮します。
たとえば第一次世界大戦や第二次世界大戦も、「流れ」で見ると理解しやすくなります。
👉 [第一次世界大戦を補助線で理解する(第6回)]
👉 [第二次世界大戦を補助線で理解する(第7回)]
まとめ|歴史に、補助線を。
- 歴史は暗記科目ではない
- 重要なのは
- 流れ
- 因果関係
- 構造
- 補助線は「理解のための一本の線」
点だった知識が線になり、
線が面になり、全体像が見えてくる。
最後にもう一度。
歴史に、補助線を。
それが、レキシラボの基本姿勢です。
◆ 関連記事
第2回|流れで歴史を理解するとは何か
第3回|因果関係で歴史を理解するとは何か
第4回|構造で歴史を理解するとは何か

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